お知らせ

 すでに「思い出の品通信」3月号や報道等でご存知の方も多いかもしれませんが、陸前高田市様からの委託で実施してきた「陸前高田市思い出の品(震災拾得物返還促進事業)」は、2021 年3月をもって終了いたしました。しかし、活動の継続を望む多くの声があることから、この度、「思い出の品」の活動を行ってきた三陸アーカイブ減災センターは、ご支援いただいた寄付金を主たる財源として活動を継続することといたしました。

 遺影がない、親の写真が全てない、ご自身や子どもの昔の写真がない、震災後に産まれた子どもに見せる祖父母の写真がないなど理由は様々ですが、多くの方々が未だに「思い出の品」を探されています。なかには、亡くなられた方の唯一のものをずっと探している人もいます。

 また、未だ震災に向き合うことが辛くて返却会などに足を運ぶことができない人、思い出の品や遺品等を探したり見たりすることが辛い人もおられる他、探し始めても確認する量があまりに多くて時間が足りない人、遠方等で長期間探す時間が取れない人も少なくなく、返却活動の継続的な取り組みを望む声が多く届いています。本団体が行ったアンケート調査では、お答えいただいた人(調査対象:思い出の品を探されている方148名)の95%が継続的な取り組みを望んでいます。

 返却されず、思い出の品として残っている写真に写っている人の数は、陸前高田市の人口の10倍以上であり、継続的に探すことができれば見つけられる方は多くおられます。「向き合うことができるようになった時に探せる環境を残してほしい」「当時の子どもたちが大人になるまで残してほしい」「唯一のものを一つでも見つけることができるまで探させてほしい」などの多くのニーズにお応えしていくためにも、私たちは、希望される方がいる限り、思い出の品を返却する取り組みを続けていく覚悟です。

 自主財源による活動継続は大きなチャレンジとなりますが、応援してくださる多くの方々に支えていただきながら、活動を継続して参ります。今後とも、「思い出の品」の活動を行う三陸アーカイブ減災センターの活動へのご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

2021年7月

(一社)三陸アーカイブ減災センター
代表理事 秋山真理

「陸前高田市 思い出の品 通信」 7月号(pdfファイル)
*活動にご賛同いただけるマンスリーサポーター1,000人を募集しています。